空のとびかたプロジェクト

本プロジェクトは、2018年4月に障害者雇用法が改正される事に先駆けて発足する、映画制作プロジェクトです。 「理解」よりも「慣れる」がモットー! 定型と非定型が一緒に楽しめるエンターテイメントを考えています。特に発達障害にスポットを当てて活動しています。

■ テキストインタビュー 第1弾 〝猫艾電介〟さん ■

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回答日時
2016年3月17日

Q1.回答者名をお答え下さい。
猫艾電介

Q2.診断名をお答え下さい。
アスペルガー症候群

Q3.ご年齢はおいくつですか?
29

Q4.診断が出たのはいつ頃ですか?
およそ3年前(2013年)

Q5.ご職業はなんですか?
フリーライター

Q6.診断までの経緯をお答え下さい。
心療内科で統合失調症として治療を行っていたが、症状が合わずに違うのではないかと考えていた所、医師より「アスペルガー症候群の可能性も」との指摘を受ける。その後セカンドオピニオンを経て確定診断に至る。

Q7.発達障害の診断が出た時の気持ちをお答え下さい。
症状と合致する部分もアリ、なんとなく合点がいった

Q8.診断が出た時の周囲の反応についてお答え下さい。
親からは「確かに発達障害を持っているが、他の人と比べても軽い方だから普通の人と一緒にやっていける」といわれた。しかし、現状はコミュニケーションの問題やそれに伴うストレスも過大になっていて、到底話は納得できるものではなかった。むしろ、ネット上の方が理解があった。もちろん否定的な意見も合ったが、当事者から見た在り方なども学んだ。

Q9.発達障害当事者になって、なにか変わったことはありますか?
特に変わっていない。強いていえば「いかにして生活を楽にするか」を前向きに考えられるようになった。一方で発達障害に関しては『一生に渡って付き合っていく必要がある命題』とも捉えている。

Q10.他の発達障害者と交流はありますか?
地元の当事者会にも参加したことがあるが、継続的なつきあいとは言い難い。会う機会がつかみにくい。

Q11.発達障害を意識する時ってどんな時ですか?
・ストレスをひたすら感じやすく、身体が動かないほどの苦痛を生じることも。
・抽象的な意見に困惑する。困惑の末、人間不信に陥ることも。
・口頭でのコミュニケーションが非常に難しい。主に言った先から記憶が曖昧になっている『短期記憶の弱さ』が一番のネック。
・音や匂いに対する刺激が強く、パニックに陥ることもある。

これらの症状はこれまで『自分の心の弱さ、努力不足』として捉えてひたすら責め、改善を目指していたが、発達障害の診断を経て『弱さではなく、先天的な障害』と認知・受容できるようになった。

Q12.他の発達障害当事者に対して、メッセージをお願いします。
発達障害はそれぞれの特性が異なるため、自分にはない特性に関しては努力不足を感じることもあるかもしれない。しかし、異なる障害特性もまた、発達障害であることは理解いただきたい。

Q13.定型発達者に対して、メッセージをお願いします。
発達障害は過去に比べると認知度自体は格段に上がってきました。 しかし、障害から来る偏見や行動そのものの在り方に苦痛を抱いたり、疲れを催す。これもまた難題だと感じます。 しかし、発達障害は学び、是正できる障害でもあります。いかにして互いの妥協点を見つけ、相互理解を深めていくかが鍵になると考えます。 もっとも『相互理解』という言葉自体が抽象的であり、人によって対応の異なる不定な存在でもあります。 大変難しいかもしれないが、それでも付き合っていきたい。やむを得ない理由で付き合わなければならない。そんな時は腹をくくってどうあるべきか、考えを押しつけずにじっくり話をしていただきたく思います。 そうすれば、人とは異なるアイデアと才能を持って返礼してくれるかもしれません。

Q14.グレーゾーンな人に対して、メッセージをお願いします。
個人的には、診断を受けるかどうかは自分の持つ「困っていること」を基に考えることをオススメします。一言で表すと「無理に診断を受けなくても構いません」

発達障害を抱えている人の中には環境に適応している人や、自ら起業し、自分のペースに合わせて働いている人とさまざまです。自分の持つ障害特性が生活上の困難を生んでいなければ、それは障害ではなく個性と言えるのかもしれません。

しかし、社会生活を行う上で様々な風習・暗黙の了解・ローカルルールにぶつかります。そんな時に困難を感じ、挫折や苦痛を常に感じたとき、特性は障害と化します。自分の考えに過ぎませんが、風習や暗黙が多く、礼儀(コミュニケーション)や和を尊ぶ日本社会では、発達障害を抱える人は生きづらいのも無理はありません。

そんな時、疑問に感じていようと自らの弱点(特性)を知ることは、生きる上で大きな強みとなります。弱さを隠すのではなく、あえて理解し、受け止め、どのようにして改善していくかを考える。この中に『発達障害の診断を受ける』という要素も含まれていると考えています。

逆に、発達障害の診断を受けたからといって厚遇が受けられるわけではありません。むしろネット上においても、社会においても障害をオープンにすることはリスクと隣り合わせ。時に不快に感じる対応をされるケースもあるでしょう。

あくまでも発達障害であることを旗印にせず『自分は発達障害だ。では、どの部分が生活上まずいのか』『どのようにすれば改善されるのか』を考えていく。その一端となれば良いのです。 (もちろん発達障害の診断を受けたことを期に、就労支援や障害年金などのサービスを受けるきっかけにつながるかもしれません)

グレーゾーンに悩んでいるから負い目を感じる必要もありません。悩んで当たり前です。これまでの常識が覆るようなものですから。 しかし、自分の弱さに対して改善を求められる行為は、社会に出ても多かれ少なかれあります。その弱さの源流に発達障害があるかもしれません。(発達障害はあくまで先天性の脳疾患なので、源流です)

最後に、診断を受けるなら両親同伴をオススメします。 あなたを一番客観的に知っているのは両親です。理解の有無を問わず「自分を知りたい」という意味でも付き添いをお願いしましょう。難しいなら片親でも良いですし、最悪両親不在でも診断自体はされます。

Q15.最後に、自由に語ってください。
理解のある人よりも、1人でも個性的な人と意見を突き合わせ、話し合える人が増えて欲しい。そう思います。 ただ発達障害を理解する時期はもう過ぎている。その次のステップはいかにして理解から交流につなげるかです。

怖さや恐れ、偏見の垣根を越えるのは親と子の間柄でも難しいです。 しかし、越えなければ一生わかり合えないまま苦しみ、悩みを繰り返すだけです。様々な嘆きや憤りもあるかも知れませんが、互いの意見を合わせて発達障害当事者はもちろん、定型発達者も歩み寄れる人が増えれば良い。

そのためにどうしたら良いか、自分でも答えが分かりません。 その答えを考えつつ生活を考える。今を見つつ未来を見るような、混乱をきたしそうな視線・思考ですが、自分の生きやすさ(ライフオブクオリティ)を追求する上でも考え、実行に移せたらとも考えています。